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トレンドコラム
Vol3

実は涼しくて快適! 今年の夏は浴衣で過ごしてみる。

日本の行事・歳時記研究家の広田千悦子さんが教えてくれる「日本の夏の楽しみ方」、第3回は「浴衣」について。夏こそ着物を楽しむための絶好のシーズンだという広田さんに、浴衣の楽しみ方のポイントを教えていただきました。今週の「きのこで菌活。」では、猛暑や室内外の温度差で疲れ気味の胃腸を元気にするインナー対策をお伝えしていますが、トレンドコラムでは夏ならではのファッション=浴衣で賢く楽しく“涼”をとる方法をご紹介いたします。

 

—————— 教えてくれたひと ——————

広田千悦子

広田千悦子 (Chieko Hirota)

日本の行事・歳時記研究家。日本の行事、季節の愉しみ、和のこと、和服、縁起物など、日々の暮らしの中にある“たからもの”を絵と文で綴る。うつわ、ことばの作家。新聞や雑誌などで連載多数。ロングセラーとなった『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)、『知っているとうれしいにほんの縁起もの』(徳間書店)、『ほんとうの和の話』(文藝春秋)など、著書は25冊以上。オフィシャルサイトはこちら

 

浴衣はどんな人にも似合う、“その人らしさ”が出るもの

S&Sスタイル

「現代では、『着物はハレの日のもの』と考えることが多いと思います。でも、和装はもともと普段着でしたから、もっと自由に楽しめるもの。中でも浴衣は着付けも手入れも比較的簡単ですし、夏はイベントも多く、浴衣を着てみるにはぴったりの季節ではないでしょうか」

花火にお祭りと、先週は日本の行事の楽しみ方をお伝えしましたが、とことん楽しむなら、やっぱりファッションも日本伝統のものを身につけたいですよね。着物は難しそう……と敬遠している方にもオススメしたい夏ならではの和装、特に「浴衣」の楽しみ方を、広田さんにうかがいしました。

「夏は浴衣を着るタイミングが多いですよね。着てみたいと思ったら、まずは洋服と同じで、お気に入りのお店を見つけることが入り口になるかもしれません。最近は手ごろな値段で購入できるお店が増えていますし、お店では着方を教えてくれるところもあります。まずは一着、好みのものを買ってみてください。花火などイベントはもちろん、友だちとみんなで浴衣で楽しむ日を設けたりしてもいいかもしれませんね」

最近は、老舗の呉服店だけでなく、セレクトショップのようにモダンなものを揃えていたり、アンティークの着物を扱っていたりと、着物を扱うショップも多彩に広がっている、と広田さん。ズバリ、着物の魅力を聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

「着物のいいところって、どんな体型の人にも似合うところなんです。洋服の場合は、着たい服に身体を合わせる必要がありますが、和服は逆。身体に合わせた着方ができます。そして、その人らしいニュアンスを出すことができるんです。たとえば、小さい男の子でも年配のおじいさんでも、着物ってなんとなく似合うでしょう? 年代や個性、体型によって『その人らしさ』を引き出してくれるのが着物のいいところですね」

着物の柄や素材はもちろん、帯を締める位置や襟合わせの広さによって、その人らしい雰囲気に合わせて着こなすことができるのが着物。和装にチャレンジしてみることで、新しいファッションの楽しみ方が広がっていきそうです。

 

●編集部がリサーチ! 2016年浴衣のトレンド

・レトロな浴衣が今年も流行
ゆかた12015年に人気だったレトロな浴衣は、今年も引き続きトレンドとなっています。
濃いめの鮮やかなカラーに、大きめの花柄や動物柄など、大正・昭和初期をイメージさせる“ハイカラ”なデザインが多く登場。
新作のレトロな浴衣はもちろん、アンティーク店などで当時着られていたものを探してみるのもおすすめです。

・年代を問わずに人気の古典的な柄
ゆかた1シンプルで涼しげな「麻の葉柄」、幾何学的でモダンな「七宝柄」、粋で大人っぽい「よろけ柄」などなど、古典的な柄の浴衣も人気です。日本の伝統的な文様には、それぞれ厄除けなどの意味が込められています。
落ち着いた柄は帯合わせで雰囲気を変えることができるので、年齢を重ねても着こなせるのが人気の理由です。

・“はんなり柄”にも注目
ゆかた1「はんなり」とは、京都の方言で、華やかでありながら気取りがなく、上品さと気品を兼ね備えてる様のこと。
柄では朝顔や椿などの花柄、全体は薄い青やピンクのパステルカラーでまとめられたデザインに注目が集まっています。
かわいらしさとしとやかさが感じられて、デートなどにぜひ着ていきたい柄ですね。

写真:個性的でおしゃれな和服屋さん「ニコアンティーク」

 

「涼」「姿勢」「動きやすさ」ーー 着物の“いいところ”はこんなにたくさん

広田さん自身、ふだんから和服で過ごしていて、その快適さを日々体感しているそうです。取材時も夏着物に身を包み、涼しげに対応してくれた広田さん。浴衣をはじめとした着物の、実際の「着心地」についてもうかがってみました。

「着物って、暑かったり、締め付けられて苦しいっていうイメージがあるでしょう?  でも実は涼しくて動きやすい面もあるんです。よく言われるのは、洋服と違って空気の通り道がたくさんあるということですね。それと、夏着物にはよく麻が使われますが、汗をかいても吸収してくれるので、その気化熱で体温が下がるということもありますね」

そのほか、全身を生地で覆うため、直射日光に肌をさらさずに済むという効果も。浴衣は、夏こそぴったりなのです。でも、帯で身体を締め付けたりと、動きづらさがあるのでは? そんな疑問に対して、広田さんは次のように答えてくれました。

実は涼しくて快適! 着物の“いいところ”はたくさん

「そうですね、動きづらいというよりも、身体がしゃんと保たれて、立ち方から歩き方まで、日本らしい仕草を実感できる面が大きいと思います。よく、マナー本にいろいろな仕草が書いてあるでしょう? 着物を着ていると、それが自然とできるようになる感じがしますね。それに、実は洋服よりも動きやすいんです。特にフォーマルな場では、洋装にヒールが高い靴を履いた方が多い中、私は安定感のある草履で、誰よりも移動が早いんですよ(笑)」

実は涼しくて動きやすい着物。ほかにも、バランス感覚が養われたり、自分の姿勢のゆがみに気づきやすかったりと、そのメリットをたくさん教えてくれました。最低限の着こなしのルールさえ押さえておけば、どんな人でも楽しめるのが着物の良さ。この夏、あなたも浴衣を日常的に取り入れてみてはいかがですか?

 

【次週は、そうめんや夏野菜をはじめとする「夏の食」について。お楽しみに!】

 

【今週更新!きのこで菌活。】

浴衣で夏祭りに…そんなシチュエーションでは、おいしい食事も楽しみたいですよね。夏バテで食べられないなんてことがないように、胃腸をはじめ身体の調子を整える「きのこで菌活」をご紹介します。
今週の「きのこで菌活。」を読む ▶︎