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トレンドコラム
Vol4

文具王が愛用する一生モノのステーショナリー、そして文房具の未来

高畑さん

今週末には新年度がスタートします。環境が変わる人もそうでない人も、この春は“最旬”文房具との出会いとともに、新たなスタートを切りましょう!最終回となる今週は、高畑さんが愛用している逸品をご紹介。今週の「きのこで菌活。」コラムでは、きのこと春野菜の相乗効果で新生活を生き生きと過ごすヒントをお届けしていますが、トレンドコラムでは新生活に向けてぜひ探しておきたい、“文具王”愛用の一生ものの文房具をご紹介します。さらに、デジタルが普及した今だからこその文房具の魅力や、手書きの良さについても教えていただきました。

 

—————— 教えてくれたひと ——————

高畑 正幸(Masayuki Takabatake)

高畑 正幸(Masayuki Takabatake)

1974年香川県丸亀市生まれ、図画工作と理科が得意な“小学生”を30年間続け、今に至る。テレビ東京の番組「TVチャンピオン」で1999年、2001年、2005年に行われた文房具通選手権に3連続で優勝し「文具王」の座につく。文具メーカー・サンスター文具で10年間の商品企画を経て、マーケティング部に所属。2012年に退社後、同社とプロ契約を結ぶ。きだてたく、他故壁氏と共に、文房具のトークユニット「ブング・ジャム」を結成。各種イベントを開催。著書に『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(日経BP社)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)など。 http://bungu-o.com

 

万年筆で書いた文字には、その人の個性がにじみ出る

これまできのこらぼ読者向けに、さまざまなおすすめ文房具を紹介してくれた高畑さん。ご自身はどんなものを愛用しているのでしょうか? 実際にペンケースを見せていただくと、中にはさまざまな文房具がぎっしり! 中でも「いわばこれらは“一軍”ですね」と、特に使用頻度が高いものを紹介してくれました。
 

文房具
高畑さんのペンケースの中身がこちら。さまざまなペンがずらり!

まずは万年筆。高畑さんが愛用しているのはドイツの老舗文房具ブランド・ペリカンの「スーベレーンM1000」、重厚感のあるサイズと弾力のある書き味が魅力の高級モデルです。「事務作業で使うことはあまりありませんが、主に手紙を書くときに使っています。万年筆はほかに、日本語を書くのに最適なパイロットの『エラボー』とノック式の『キャップレス』を愛用しています」と高畑さん。
 

スーベレーンM1000
「スーベレーンM1000」(ペリカン)。名作文房具として名高いモデル。

「今はメールで連絡をとることが多いですから、ペンで字を書くということも減っているかもしれません。でも僕は、“文具王”として手書きをおすすめしたいんです。手書きの文字って、その人のクセが出る分、相手に与えられる情報量が多いんですよ。特に万年筆は書くスピードによって色の濃淡が変わったりして個性が出やすい。メールではなかなか感じられない、そんなところに注目してほしいと思います。そしておすすめしている以上はまず僕が率先して書かないといけないと思って、お会いした人全員にハガキを出すことにしているんです。万年筆はそのときに使っていますね。

「万年筆は主に手紙用で、普段はパイロットのこすると消えるフリクションボールをよく使っていますが、グリップの部分だけ私の発案で作った別のものに交換しています。シャーペンは、ぺんてるの『オレンズ』というモデルを愛用中。これ、なんと芯が0.2mmと超極細で、ノックしなくても書き続けられるんですよ。マーカーは『プロマーク ビュー』という、ペン先に窓が開いていて位置を確認しながら線が引けるものが便利ですね」。
 
そのほか、筆ペンは呉竹の「完美王」、糊はコクヨの「ドットライナー」など、逸品を次々と紹介してくれた高畑さん。“文具王”が愛用しているお墨付きの文房具、その使い心地をぜひ体験してみたいですね。
 

進化する文房具の世界。デジタルとアナログの組み合わせがカギ

“文具王”として活動し、新製品のレビューや開発だけでなく、過去の貴重な史料なども収集している高畑さん。今回、紹介してくれたように、文房具は進化し続けています。最近ではフリクションボールが一気に普及したように、便利なものが登場すれば、ほんの数年で広まるのが文房具の世界。近ごろはスマートフォンのアプリと連動したメモ帳など、デジタルとの連携を意識したものも多く登場していますが、これからの文房具はどうなっていくのでしょうか?
 

ライフスタイルツール

「たとえば電子メールは誰が使っても同じ文字を打つことができますが、手書きの場合は文字にそれぞれの個性が出ます。デジタルは手順さえ覚えれば均一の結果を出すことができて、アナログのものは技術があればより自由に使うことができる。そのどちらもうまく組み合わせていくことが大切なのではないでしょうか」
 
高畑さんが例に挙げたのが「卓上名刺ホルダー」。スキャンした名刺のデータを登録できる名刺ホルダーをデジタル化した製品が実際に販売されていますが、紙のものよりも検索性に優れる反面、電源をつないでおかないと機能しないという側面も。技術革新が進んで新たな文房具が生まれる一方、昔ながらのものも変わらず使われ続けていくというのが高畑さんの考えです。
 
「もともと文房具って、中国で書斎を意味する『文房』から来ているんです。古くは文具四宝という言葉があって筆・墨・硯・紙の4つを意味していましたが、『文房』って今でいえばオフィスのこと。現代の会社でハサミもパソコンも区別せずに使っているように、アナログとかデジタルとか区別することにあまり意味はないんです。たまたま明治時代にパソコンがなかっただけで、日本に複式簿記を導入した福沢諭吉がもしもパソコンを持っていたら、きっと『Excelのすすめ』も書いていたと思いますよ(笑)」
 

ライフスタイルツール
棚には、ファンから贈られたという高畑さんの姿をかたどった人形が。

 
最後に、“文具王”としての、これからの目標についてうかがうと、こんな飾らない答えが返ってきました。

「人間の知恵がぎゅっと詰まっていたり、気軽に試すことができたり。文房具って楽しいものなんですよ。僕自身も、ただ楽しんでいるだけなんです。だから、みなさんにもぜひその魅力が伝わればいいなって思っています」

いよいよ、新生活の時期がやってきます。文字を書いたり、絵を描いたりするだけではなく、持っているだけで楽しくなるものや家事に役立ちそうなものなど、文房具の世界には、私たちの生活を豊かにするヒントがたくさん。みなさんも、ぜひお気に入りの文房具を見つけて、新たな気持ちで新生活を迎えましょう!

 

【今週更新!きのこで菌活。】

新生活に向けて文房具をそろえると共に、身体もしっかり整えてスタートを。おすすめは旬食材を使ったきのこレシピ!デトックス効果の高いきのこ✕春野菜で腸内環境を整え、新生活に向けたキレイと健康を作りましょう。

今週の「きのこで菌活。」を読む ▶︎